月瀬の大杉
昭和三年長野県指定、同19年(1944)11月13日に国天然記念物に指定された月瀬の大杉は、樹高40メートル、幹廻り約14メートルに達し、日本第六位、長野県第一位の巨木である。樹齢は文部省調査による約1800年を採用している。
昔から虫歯に病む者が祈願すると霊験が著しく、また大事変がおこるときには前兆として大枝が折れると語り継がれている。旧月瀬村の産宮のご神木として古来から尊崇され、地区民の手で保護されて来た。
弘化元年(1844)の江戸城本丸消失の復興用材として、また、明治四一年(1908)国の施策による村内神社統合の折り、大杉売却の決議がなされたが、月瀬区民六十戸の総結集により、当時の大金800円を無尽講を作り十数年にわたり積立てることによって難を逃れ、保存され現存に至っているのである。
平成二年以降、「大スギ公園」作りが、特定地域林業振興総対策事業として導入された。「観光に訪れる皆さんにゆっくりくつろいでほしい」との念願から、大スギ周辺にテニスコート・ゲイトボール場・トイレ棟・あずま屋などを設置し整備を進めている。
一方、老人クラブ員の草とり作業、全戸交代によるトイレ清掃などの奉仕活動が毎週行われている。