つるし岩
施設情報
所在地
浅間
特徴
浅間神社近くの浅間川沿いの道を出ると、川の西側1102メートルの山の頂上に、天から吊るされたような巨大な岩を見ることが出来る。
伝説「浅間の太郎」
むかし、浅間山に、鎮護の神として木花開耶姫が迎えられました。
姫の姿はまことに端麗で美しく、香り高い山百合の花にも似て、村人たちは尊び敬っていたそうです。
その近くに山男の浅間の太郎というたくましい若者がいました。太郎は、美しい姫の姿をひと目みるなり好きになり、寝食を忘れるほど恋こがれていました。
そんなある日、姫への思いが抑えきれなくなり、太郎は思い切って姫の部屋に忍び入りました。
しかし、高貴な育ちの姫は、下賎な山男を迎え入れることなく、相手にはしませんでした。
このことが、しばらくして天地の大神をはじめ諸神にも聞え、太郎は怒りにふれて険しい岩に召し上げられてしまいました。そして、浅間山の主として山に吊るされてしまったのです。
このことを知った姫は、太郎をひとしおあわれに思い、身分をわけたことを恥ずかしくて感じて、花に姿をかえて太郎の岩陰に咲いたということです。
それ以来、岩になった太郎のもとには、石楠花が慰めるように、郡をなして咲いているのだといわれています。